降臨節第1主日「起きて待て」マルコ13:33-37(2020年11月29日)

父と子と聖霊のみ名によって アーメン                                                       

 

    先週、23日(月)に第115定期教区会が初めてリモート会議として行われ無事終わりました。後ほど代議員の森田誠也さんと、川﨑祐子さんから報告があると思いますが、教区の様々なことが神のみ守りの内にあることを感謝します。

 また同じ日に、私たちの愛する家族でありますマリヤ岩崎美代子さんが天に召されました。95歳でした。以前にもお話ししましたが13日(金)に容態が急変し、パールランド病院に行きました。紀子さんが私の来訪を告げられますと、「うん、うん」と頷かれました。準備の祈りと塗油の間うなずいておられました。翌日、紀子さんが美代子さんを訪問されますと、呼びかけに答えて、目を開けて「のりちゃん」と言われたそうです。それが最後の言葉になりました。美代子さんは私たちの交わりの中で大好きな絵画、編み物、小物製作などで私たちを幸せにして下さいました。また電話で皆さんを励まして下さいました。これらは美代子さんに与えられた大きな賜物でした。美代子さんはこの賜物を充分に使い2倍、3倍に増やされました。神の国が実現したとき美代子さんは胸を張って神さまの前に立たれることと確信しています。美代子さんの記念式を礼拝の後で行います。

 

 さて、いよいよ今日から教会の新しい暦が始まります。

日課もB年の日課を使います。B年の福音書はマルコによる福音書が中心に読まれていくことになります。

 もうすでにご承知だと思いますが、クリスマスの4週間前から教会の新しい暦は始まります。クリスマスが12月25日に固定されていますので、降臨節第1主日は若干の変動があります。クリスマス前の4回の日曜日が降臨節の主日となるわけです。

 

 降臨節は、漢字の意味からすると神の子主イエスが降りて来られることを表しています。降臨には二つの降臨があります。一つめの降臨は幼子主イエスの誕生です。神の子主イエスは私たちのために人間の身体となって、この世に来られました。二つめの降臨は復活の後、昇天された主イエスが再びこの世に来られる再臨です。この二つの降臨は私たちクリスチャンはとって大きな喜びです。主イエスの誕生と、全てが完成成就される日を待ち望みながら、この期間を過ごすことになります。降臨を待つことから、この期間を「待降節」と呼んでいる教派もあります。

 

  本日の福音書では主イエスが再びこの世に来られる再臨の日をどの様に待ったら良いのかが宣べられています。

 主イエスは昇天後、再びこの世に戻って来られ、差別のない「神の国」を実現することを明言されました。昇天のする前に主イエスは「神の国」を実現するために「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」と弟子たちに命じられました。

 主イエスがこの世にいつ戻ってこられるのかは、私たちには知ることが出来ない、父なる神のみが知っておられると主イエスは言われます。

 この事を主イエスは「旅に出る主人が、家の者には留守中の用事を言いつけ、門番にはいつ主人が帰って来ても良いように準備をしておきなさいと言いつけて出発するのと同じである」と譬えて言われました。旅に出る主人とは主イエスご自身のことです。留守中の家族へ言いつけておいた用事とは「全世界に福音を伝えなさい」と言う命令です。

 

 主人との信頼関係があれば、留守をあずかる人達は言いつけを守りながら、門番も毎日家の前の道路を眺めながら、主人の帰りを、今か今かと期待に胸をはずませながら待ち続けることでしょう。

 

 皆さんも何かを待つという体験をされたことがおありと思います。親しい人を待つ、嬉しい便りを待つ、購入したものを待つ、家ができあがるのを待つ、帰りを待つ、メールを待つ、電話を待つ、等がありますね。喜びを待つ事の方が圧倒的に多いですね。しかも待っているときはその事が実現されることを信じて待っています。

 

 私たちも主イエスを信頼しいつの日か、主イエスが再び地上に戻ってこられ「神の国」が実現することを待ち望んでいます。

 

 その時を「起きて待て」と主イエスは言われます。

この言葉は、肉体的な問題ではなく、「いつ来るか、徴は何だろうかと浮き足だつのでなくて、信じて待て。祈りつつ待て。狂信的になるな。」と言っておられるのです。

 

 子ども達は楽しいことのある前の夜はなかなか眠れません。主イエスの再臨は恐ろしいものではありません。神の国の実現を待つことは眠れないほど楽しく、興奮することなのです。

 

 祭色も緑色から紫色に変わりました。祭色は教会の暦に従って変わります。

 緑色は平和、希望、生命、自然、成長を表わします。顕現節、聖霊降臨節後の平常の期節に用いられます。

 紫色は懺悔、悔い改め、待望、慎みを表わします。大斎節、降臨節などに用いられます。

 白色は純潔、喜び、勝利を表わします。降誕日、復活日、顕現日、昇天日、三位一体主日、結婚式、等に使われます。

 この紫色の期節を、主イエスの誕生日を静かに待ちながら、もう一つの降臨であるイエス・キリストの再臨についても静かに考える時にしましょう。そして白色の降誕日を喜びの内に迎えたいと思います。